化学物質関係設備の改造作業等の安全対策

爆発⽕災の危険性の⾼い作業として、化学物質を取り扱う設備の改造、修理、清掃等の作業があります。

これらの作業は外注化されることが多く、作業者が当該設備で取り扱われる化学物質の危険性・有害性、取扱い上の注意事項等の情報を⼗分に知らされないまま作業が⾏われているとの指摘もあります。

労働安全衛⽣法が平成17年に改正され、こうした作業にかかる元⽅事業者をはじめ仕事の注⽂者に、下記の事項が課されました。

労働安全衛⽣法31条の2
化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物を製造し、⼜は取り扱う設備で政令で定めるものの改造その他の厚⽣労働省令で定める作業に係る仕事の注⽂者は、当該物について、当該仕事に係る請負⼈の労働者の労働災害を防⽌するため必要な措置を講じなければならない。

施⾏令9条の3(法第31条の2 の政令で定める設備)

労働安全衛⽣規則662条の2(法第三⼗⼀条の⼆の厚⽣労働省令で定める作業)
法第31条の2の厚⽣労働省令で定める作業は、同条に規定する設備の改造、修理、清掃等で、当該設備を分解する作業⼜は当該設備の内部に⽴ち⼊る作業とする。

労働安全衛⽣規則662条の4(⽂書の交付等)
法第31条の2の注⽂者(その仕事を他の者から請け負わないで注⽂している者に限る。)は、次の事項を記載した⽂書(その作成に代えて電磁的記録(電⼦的⽅式、磁気的⽅式その他⼈の知覚によつては認識することができない⽅式で作られる記録であつて、電⼦計算機による情報処理の⽤に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において同じ。)を作成し、これをその請負⼈に交付しなければならない。

⼀ 法第31条の2に規定する物の危険性及び有害性
⼆ 当該仕事の作業において注意すべき安全⼜は衛⽣に関する事項
三 当該仕事の作業について講じた安全⼜は衛⽣を確保するための措置
四 当該物の流出その他の事故が発⽣した場合において講ずべき応急の措置

2 前項の注⽂者(その仕事を他の者から請け負わないで注⽂している者を除く。)は、同項⼜はこの項の規定により交付を受けた⽂書の写しをその請負⼈に交付しなければならない。
3 前⼆項の規定による交付は、請負⼈が前条の作業を開始する時までに⾏わなければならない。

また、製造業の元⽅事業者には、元⽅事業者の労働者と関係請負⼈の労働者の作業が同⼀の場所で⾏われることにより⽣ずる労働災害を防⽌するため作業間の連絡調整等の実施が義務づけられています。

労働安全衛⽣法30条の2
製造業その他政令で定める業種に属する事業(特定事業を除く。)の元⽅事業者は、その労働者及び関係請負⼈の労働者の作業が同⼀の場所において⾏われることによつて⽣ずる労働災害を防⽌するため、作業間の連絡及び調整を⾏うことに関する措置その他必要な措置を講じなければならない。

併せて、「製造業における元⽅事業者による総合的な安全衛⽣管理のための指針」が公表されています。