②感染症予防の基本

感染症が成立するには、「感染源(病原体)」、「感染経路(手など)」、「感染を受けやすい人(主体)」の3つの要素が必要となり、これらのいずれを絶つことにより、感染症を予防することができます。

①感染源を絶つ
感染源には微生物に感染した人間や動物、それらの排泄物などにより、人から人にうつる伝染性の感染症と、動物や昆虫あるいは傷口から感心する非伝染性の感染症があります。
そこで、「感染源を絶つ」ためには殺菌消毒をすることになりますが、殺菌消毒の方法は病原体により異なります。

②感染経路を絶つ
感染経路は、以下の5つに分類されます。
これらの「感染経路を絶つ」ための取り組みとして、清潔・清掃・衛生管理が挙げられます。

  • 接触感染
    感染源に直接接触する
    --麻疹:はしか、水痘(水ぼうそう)、アデノイドウィルスなど
  • 飛沫感染
    咳やくしゃみにより唾液に混じった微生物が飛散する
    --インフルエンザ、普通感冒、マイコプラズマ肺炎など
  • 空気感染
    微生物を含む飛沫の水分が蒸発し、5μm以下の小粒子として長時間空気中に浮遊する
    --結核、麻疹、水痘など
  • 物質媒介型感染
    汚染された食物、水、血液、器具などから伝播される
    --食中毒、B型肝炎、C型肝炎など
  • 昆虫などを媒介した感染
    蚊・ハエ・ネズミなどを経由して伝播する
    --マラリヤ、リケッチア症など

③感染を受けやすい人(主体)は抵抗力を高める
病原性が非常に強い場合は誰でも感染しますが、抵抗力が非常に弱い場合も病気を発症させることになります。
したがって、感染してもほとんど症状が出ずに終わってしまう人もいれば、一度症状が出るとなかなか治りにくく、時には死に至ってしまうような感染症もあります。
抵抗力を高めるには、バランスのとれた食事、適度な運動、休養、睡眠、予防接種(ワクチン)が挙げられます。
なお、抵抗力とは、病原体などに打ち勝つための体力や免疫力のことで、免疫とは自分を病原体から守る機能です。