機械設備による労働災害(以下「機械災害」)は死傷災害全体の約2割を占め、製造業においてはその比率は約3割になります。
機械災害の特徴は、はさまれ・巻き込まれ等により身体部位の切断・挫滅等の重篤な災害や死亡災害につながることが多いのが特徴です。
設計・製造段階でリスクアセスメントを実施し、保護方策を織り込んだ機械を製作し、使用者がさらにリスクアセスメントを実施して機械の安全化を図ることが大切です。
機械の安全化の前提
- 人はミスをする
人の注意力には限界があり、人がミスをしても事故・災害に結びつかないように、「人の注意力に頼る安全」からより信頼性の高い「機械に任せる安全」にすることが効果的であり確実です。 - 機械は故障する
信頼性の高い機械や安全装置も時には故障することを理解して、故障しても安全機能が継続するように考慮することが必要です。 - 絶対安全は存在しない
危険源をなくさない限り、どんなに安全化を進めても、「残留リスク」はゼロにはなりません。
リスクアセスメント等により、「許容可能なリスク」のレベルまでリスクを低減することが機械の安全化に求められ、そのレベルは合理的に実現可能な技術水準とされています。
機械の安全化の原則
- 本質安全の原則
機械の危険箇所(危険源)を除去する、または人に危害を与えない程度にする。 - 隔離の原則
人が機械の危険源に接近・接触できないようにする。 - 停⽌の原則
一般的に機械が止まっていれば危険でなくなるので、人が機械の動作範囲に入る場合は、インターロック等で機械を停⽌させる。
または、停止させてから入場を許可する。