②これまでの安全衛生管理との相違点

これまでの安全衛生管理は、法令遵守に主眼が置かれがちでしたが、生産工程の多様化などにより、法令上の規制のない危険性又は有害性も増加してきています。

また、KY活動、ヒヤリ・ハット、職場巡視などの日常的な安全衛生活動が行われていても、その結果を集約し、事業場全体として優先順位を付けた上で、計画的に改善措置を講じるという仕組みになっていないために、部署によって対策の濃淡が生じたり、改善状況の評価(フォローアップ)が十分になされていないために、必要な対策が欠落するということもみられました。

労働安全衛生マネジメントシステム(以下「OSHMS」という)は、下記を目的としています。

  • 事業者が労働者の協力の下に、一連の過程を定めて、継続的に行う自主的な安全衛生活動を促進し、事業場の安全衛生水準の向上に資すること

このため、リスクアセスメントの結果をもとに、下記のサイクルを回す(繰り返し実施する)ことを求めています。

  1. 計画を立て」(Plan)
  2. 計画を実施し」(Do)
  3. 実施結果を評価し」(Check)
  4. 評価を踏まえて、見直し、改善する」(Act)

また、これらの活動を支える基本要素として「体制の整備」「労働者の意見の反映」「明文化」「記録とその保管」なども実施しなければなりません。