【熱中症予防に関する労働衛生関係法令の規定】

高温環境に関する主な労働法令は、下記が挙げられています。

  1. 多量の高熱物体(100℃以上の鉱物等)を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務(乾球温度40℃、湿球温度32.5℃、黒球50℃以上など)における業務では、法定労働時間外に2時間を超えて就業させてはならない(労基則18条)
    同業務に18歳未満の年少者や妊産婦を就業させてはならない(年少則8条、女性則2条)
  2. 多量の高熱物体を取り扱う業務(100℃以上の鉱物等)及び著しく暑熱な場所における業務(乾球温度40℃、湿球温度32.5℃、黒球50℃以上など)に500人以上が常時使用されている事業場では、専属の産業医を選任しなければならない(安衛則13条)
    同業務では、半年に1回、特定業務従事者の健康診断を実施しなければならない(安衛則45条)
    同業務では、立ち入りを禁止し、保護具を準備し、休憩設備を設置しなければならない(安衛則585条、593条、596条、614条等)
  3. 暑熱又は多湿の屋内作業場では、半月に1回、定期に温度、湿度、輻射熱を測定しなければならない(安衛則587条、607条)
    同作業場では、痛風や冷房などで温湿度を調整しなければならない(安衛則606条)
    同作業場で多量の熱を放散する溶融炉等がある場合は、熱気を直接屋外に排出し輻射熱から労働者を保護しなければならない(安衛則608条)
  4. 坑内の作業場では、半月に1回、定期に温度を測定し、気温を37℃以下としなければならない(安衛則589条、612条)
  5. 加熱炉の修理では、適当に冷却後(黒球温55℃以下)でなければ内部に立ち入らせてはならない(安衛則609条)
  6. 多量の発汗を伴う作業場では、塩及び飲料水を備えなければならない(安衛則617条)

労基則:労働基準法施行規則
安衛則:労働安全衛生規則
年少則:年少者労働基準規則
女性則:女性労働基準規則