①粉じんによる健康障害

じん肺は、古くからある代表的な職業性疾病であり、じん肺およびじん肺合併症による業務上疾病者数は、減少傾向にあるものの依然として多い状況にあります。

このような粉じんによる障害を防止する対策としては下記が重要となります。

  1. 粉じんの発散防止対策および粉じんへのばく露を低減するための対策
  2. 粉じん作業従事労働者の離職後も含めた健康管理

これらの対策は、それぞれ粉じん障害防止規則(以下「粉じん則」)およびじん肺法に規定されています。

平成24年4月より、粉じん則およびじん肺法施行規則の改正により、屋外におけるアーク溶接作業および屋外における岩石等の裁断等作業が呼吸用保護具の使用を要する作業となりました。

同様に、平成26年の粉じん則改正により、「屋外における手動式または可搬式動力 工具(研磨剤を用いたものに限る)」を用いて岩石、鉱物、もしくは金属を研磨し、もしくはバリ取りし、または金属を裁断する作業についても、労働者に有効 な呼吸用保護具を使用させなくてはならない作業となりました。

さらに、鋳物工場の製造作業工程のうち砂型を造形する場所における作業について、新たな粉じん作業と定める、粉じん則、じん肺法の改正が予定されています。

また、厚生労働省では、粉じん防止対策を更に推進するため、平成25年度から29年度までの5ヵ年を推進期間とする「第8次粉じん障害防止総合対策」を策定しています。
この総合対策では、アーク溶接作業と岩石等の裁断等作業、金属等の研磨作業、ずい道等建設工事における粉じん障害防止対策および離職後の健康管理が重点とされ、5年間において事業者が特に実施すべき措置として、以下記事のような「粉じん障害を防止するため事業者が重点的に講ずべき措置」が示されています。