労働者は生活の3分の1を職場で過ごしていることから、職場はいわば労働者の生活の場の一部ともいえます。
その生活の場が浮遊粉塵で汚れている、臭気がある、暑すぎる、寒すぎる、暗い、騒音でうるさいなど作業環境に問題があったり、不自然な姿勢での作業や大きな筋力を必要とする作業内容であったりする場合には、労働者にとって不快であるだけでなく、生産性の面からも能率の低下をきたします。
そこで、作業環境や施設設備についての現状を的確に把握し、職場の意見・要望等を聞いて、快適職場の目標を掲げ、その実施の優先順位に基づいて計画的かつ着実に職場の改善を進めることが必要です。
例えば、空気を清浄化する、温度・湿度を適切に管理する、重筋労働を少なくして作業者の心身の負担を軽減する、疲れた時に身体を横にすることの出来る休憩室等を設置する、暑熱環境下で作業をした時に汗を流すシャワーを設置する等です。
職場の快適性が高いと、職場のモラールの向上、労働災害の防止、健康障害の防止が期待できるだけでなく、事業活動の活性化に対しても良い影響を及ぼします。
その際、人が快適と感じるかどうかは個人差があり、職場の環境という物理的な面のみでは測れませんが、多くの人にとっての快適さを目指すことを基本としながら、個人差にも配慮することが必要です。
なお、当然のことですが、職場が安全衛生関係法令等に違反しているような不安全・不衛生な状態では、快適職場とはいえません。