労働者は生活の3分の1を職場で過ごしており、職場は生活の場の一部ともいえます。
その生活の場の環境が、浮遊粉塵で汚れている、臭気がある、暑すぎる、寒すぎる、暗い、騒音でうるさいなどの問題があったり、不自然な姿勢の継続や大きな筋力を必要とする作業の場合、不快であるだけでなく、生産効率の面からも問題です。
職場における作業環境や施設設備について、その現状を把握し、労働者の意見・要望等を踏まえて、職場の改善を進めることが必要です。
例えば、空気環境(温度、湿度、二酸化炭素、一酸化炭素、粉じん等)の管理、心身の負担(重筋労働、心的負担等)の管理、快適化設備(休憩室、シャワー室等)の設置等があります。
職場の快適性が高いと、職場のモラールの向上、労働災害の防止、健康障害の防止だけでなく、事業活動の活性化にも良影響を及ぼします。
その際、多くの人にとっての快適さを目指すことを基本としながら、個人差にも配慮することが必要です。
快適職場指針
労働安全衛生法第71条の2と第71条の3において、事業者は快適な職場環境を形成するように努めなければならないとされています。
その具体的な措置として「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」(快適職場指針)(平成9:1997年9月25日付け改正労働省告示104号)が公表されています。
快適職場指針では、仕事による疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすい職場づくりを目指して、「快適職場づくり」を事業場の自主的な 安全衛生活動の一環として位置づけ、職場の快適化を安全衛生委員会等で十分に検討して具体化すべきことを定めています。
職場によっては、屋外作業、重筋作業、不自然な姿勢での作業等の労働負荷の大きい作業や、作業者が高齢化していることがあります。
それぞれの職場の特性を踏まえて対応する必要があります。
このため、業種の特性等を考慮し、例えば建設業については、「建設業における快適職場形成のための対象作業・対象事項及び対策の例」(平成7:1995年9月26日付け基安発第13号)が示されています。