加齢に伴う身体機能の低下は、労働災害発生の要因の一つとなっています。
年齢を重ねるにつれ「立つ、座る、歩く、走る」などの運動機能やバランス感覚などが低下することから、「転倒」、「墜落・転落」の災害が増加しています。
このような機能低下に対しては、施設・設備を改善して補う必要があることは言うまでもありませんが、機能低下は多様であり、個人差もあります。
そして機能低下は自覚しないうちに徐々に進行することが多く、日常生活や行動上に支障が出るまで放置しがちで、未然に防ぐよう意識することが難しいという問題もあります。
そこで厚生労働省は、平成21年度に「高年齢労働者の身体的特性の変化による災害リスク低減推進の手法等の検討」を中央労働災害防止協会に委託し、自らの身体機能の変化に気付き、転倒等のリスクを把握する方法として「転倒等リスク評価セルフチェック票」としてまとめられています。
(厚生労働省ホームページ内)
エイジフレンドリーガイドラインにおいても、高年齢労働者の健康や体力の状況把握の項において、このセルフチェック票の活用が推奨されています。
(中央労働災害防止協会ホームページ内)
また、日本整形外科学会では、身体の衰えにより「立つ」「歩く」といった機能が低下するロコモティブシンドローム(運動器症候群)を予防するための運動として「ロコトレ」を推奨しています。