事業場では⼀般に、作業標準や作業⼿順か定められていますが、その標準や⼿順を作成する際に、安全を考慮した作業⽅法を採⽤することが肝要です。
また、すでに作業標準や作業⼿順があるものの、安全の視点から不⼗分な内容である場合は、安全への配慮を加味して整備し直すことが必要となります。
このような安全を⼗分に考慮した作業標準、作業⼿順などを「安全作業マニュアル」と称しています。
安全作業マニュアルは、労働災害の防⽌に効果があるばかりでなく、それに沿って作業者が安⼼してトラブルなく作業ができるので、品質や作業効率などにも良い影響を与えることになります。
<安全作業マニュアル作成に当たっては次の事項に留意することが重要です>
- すべての作業を対象にマニュアルを作成することが望ましいですが、現実的には職場単位や職種単位、或いはリスクが⾼いと想定される作業から作成していき、計画的に順次対象を広げていくことが現実的です。
それぞれの作業あるいは類似の作業について、災害事例、ヒヤリハット事例、リスクアセスメント結果などの関連情報を集め、これらの情報を元にリスクの⾼い作業を洗い出し、それらを優先してマニュアル作りをしていきます。 - マニュアルは、まとまり作業、単位作業、要素作業へと段階的に作業を細分化し、上記の関連情報等をもとに安全上の留意点を盛り込んで作成していきます。
その際、現場の管理監督者が作業者とともに、熟練者の作業⾏動などを参考として、作業前の準備、関係する機械設備・器具・⼯具等の取り扱い⽅、無理のない動作・姿勢などのポイントを検討し、マニュアルに反映させていきます。
また、品質管理、環境管理⾯等の観点からの留意点も含めると、より有⽤なマニュアルになると思われます。 - 例えば、使⽤設備に係る始業前点検、保護具の点検など、作業前に点検し、確認しなければならないことを、マニュアルの中で明確にしておきます。
- マニュアルはできるだけ分かり易い言葉を使い、図は一目で分かるようにレイアウトなどを工夫して、実際に沿って容易に作業ができるように作成します。
写真に分かり易い言葉でコメントを⼊れるなどの「⾒える化」も効果的です。