小売業および飲食店の多店舗展開企業の本社及び店舗、多くの社会福祉施設を展開する法人の本部及び施設の災害防止については次のような実施事項が示されています。
(1)本社・本部の実施事項
- 企業・法人傘下の店舗・施設全体の労働災害の発生状況の把握、分析
- 経営トップの意向を踏まえた安全衛生方針の作成、周知
- 安全に配慮した作業マニュアルの作成と店舗・施設への周知
- 次項「(2)店舗・施設の実施事項」に示す事項を含め、店舗・施設で実施すべき安全衛生活動を定め、店舗・施設での取り組みを展開するとともに、必要な資料の提供、教育の実施等の支援を行うこと
- 店舗・施設における安全衛生担当者(衛生管理者、衛生推進者、安全推進者等)の配置状況の確認
- 店舗・施設の安全衛生担当者に対する教育の実施
- 本社・本部安全担当者、エリアマネージャー等による店舗・施設に対する危険箇所や安全衛生活動の取組状況の点検、災害防止指導の実施
- 安全対策の取り組みや注意喚起を分かりやすく従業員へ周知するための掲示や小冊子の配布
- 店舗・施設のリスクアセスメントの実施及びその結果に基づく対策の実施
- 店舗・施設におけるメンタルヘルス対策に係る指導及び実施状況の把握
- 店舗・施設における健康診断及び事後措置、長時間労働者への面接指導等、健康確保措置の実施状況の把握
(2)店舗・施設の実施事項
- 4S(整理、整頓、清掃、清潔)の徹底による転倒災害等の防止
--床面の水濡れ、油汚れ等のこまめな清掃、台車等の障害物の除去、安全に介護等の作業ができる作業スペース、通路等の確保など - 作業マニュアルの店舗・施設の従業員への周知・教育
- KY(危険予知)活動による危険予知能力、注力の向上
- ヒヤリハット活動による危険箇所の共有、除去
- 危険箇所の表示による危険の「見える化」
- 店長・施設長、安全衛生担当者による定期的な職場点検の実施
- 朝礼時等での安全意識の啓発
- 防滑靴・切創防止手袋等の着用、介護機器・用具等の導入と、使用の推進、熱中症予防のための透湿性・通気性のよい服装の活用
- 腰痛予防対策指針に基づく健康診断の実施
- 腰痛・転倒予防体操の励行
- 熱中症予防のための休憩場所・時間の確保