労働安全衛生法では、粉じんを発散する作業場等一定の有害な業務を行う作業場については、定期的に作業環境測定を行い、その結果の評価に基づいて、適切な改善措置を講じなければならないことになっています。
この作業環境測定が義務づけられている作業場の種類、測定回数、測定結果の保存期間等は労働安全衛生法施行令第21条に示されています。
なお、有害な業務が行われる屋外作業場等が少なくないことから、屋外作業場等の作業環境管理を図ることを目的とした「屋外作業場等における作業環境管理に関するガイドライン」が定められています。
作業場の種類 | 関連規則 | 測定項目 | 測定回数 | 記録の保存年 | |
○1 | 土石、岩石、鉱物、金属または炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場 | 粉じん則 26条 |
空気中の粉じん濃度、遊離けい酸含有率 | 6月以内ごとに1回 | 7 |
2 | 暑熱、寒冷または多湿の屋内作業場 | 安衛則 607条 |
気温、湿度、ふく射熱 | 半月以内ごとに1回 | 3 |
3 | 著しい騒音を発する屋内作業場 | 安衛則 590条 591条 |
等価騒音レベル | 6月以内ごとに1回(注1) | 3 |
4 | 坑内作業場 (1)炭酸ガスの停滞場所 |
安衛則 592条 603条 612条 |
空気中の炭酸ガス濃度 | 1月以内ごとに1回 | 3 |
(2)通気設備のある坑内 | 通気量 | 半月以内ごとに1回 | 3 | ||
(3)28℃を超える場所 | 気温 | 半月以内ごとに1回 | 3 | ||
5 | 中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の室で、事務所の用に供されるもの | 事務所則 7条 |
空気中の一酸化炭素および二酸化炭素の含有率、室温および外気温、相対湿度 | 2月以内ごとに1回 (注2) | 3 |
6 | 放射線業務を行う作業場
(1)放射線業務を行う管理区域 |
電離則 53条 54条 55条 |
外部放射線による線量当量率 | 1月以内ごとに1回 (注3) |
5
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○(2)放射性物質取扱い作業室
○(3)事故由来廃棄物等取扱い施設 (4)坑内核原料物質掘削場所 |
空気中の放射性物質の濃度 | 1月以内ごとに1回 | 5 | ||
○7 | 第1類もしくは第2類の特定化学物質を製造し、または取り扱う屋内作業場など | 特化則 36条 |
空気中の第1類物質または第2類物質の濃度 | 6月以内ごとに1回 |
3 特別管理物質については30年間 |
石綿等を取扱い、または試験研究のため製造する屋内作業場 | 石綿則 36条 |
空気中の石綿の濃度 | 6月以内ごとに1回 | 40 | |
○8 | 一定の鉛業務を行う屋内作業場 | 鉛則
52条 |
空気中の鉛濃度 | 1年以内ごとに1回 | 3 |
※9 | 酸素欠乏危険場所において作業を行う場合の当該作業場 | 酸欠則 3条 |
空気中の酸素濃度 (硫化水素発生危険場所の場合は同時に硫化水素濃度) |
その日の作業開始前 | 3 |
○10 | 有機溶剤を製造し、または取り扱う屋内作業場 | 有機則 28条 |
空気中の有機溶剤濃度 | 6月以内ごとに1回 | 3 |
作業場の種類の欄に「○印」を付した作業場は、指定作業場であり、測定は作業環境測定士または作業環境測定機関が行わなければならない。
また、「※印」を付した作業場の測定は、酸素欠乏危険作業主任者に行わせること。
- (注1)施設、設備、作業工程または作業方法を変更した場合には、遅滞なく測定する。
- (注2)室温および相対湿度については、1年間基準を満たし、かつ、今後1年間もその状況が継続すると見込まれる場合は、春または秋、夏および冬の年3回。
- (注3)放射線装置を固定して使用する場合において、使用の方法および遮へい物の位置が一定しているとき、または3.7ギガベクレル以下の放射性物質を装備している機器を使用するときは6月以内ごとに1回。