①心身両面の健康保持増進

本格的な少子高齢化社会を迎える中、働く人がいつまでも健康で、その能力を十分に発揮できるということは、労働者にとっても大変重要なことです。

しかしながら、定期健康診断の結果をみると、年々有所見者の割合は長期的に増加傾向であり、中でも血中脂質検査、血圧、肝機能検査などの項目で有所見率が高い傾向にあります。

これらの所見は、健康管理が適切に行われていないと増悪し、脳血管疾患や虚血性心疾患などを引き起こすことにもなりかねません。
これらの所見を予防し、健康の保持増進を図るためには、自分の健康を自ら管理するとともに、職場の健康管理が重要です。

また、健康寿命とともに職業生涯が延伸し、高年齢労働者が職場においてより大きな役割を担うようになり、高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境づくりや労働災害の予防的観点から、健康づくりを推進していくことが求められています。

労働者の健康を確保し、ひいては、身体機能低下がもたらす労働災害の防止を図ることを目的として、事業場における健康保持増進のために様々な施策が展開されています。

国は「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)を策定し、心身両面にわたる健康保持増進対策を推進しています。(THP:トータル・ヘルスプロモーション・プラン)

健康保持増進措置は、労働者が自主的・自発的に取り組むことですが、その自助努力を支援する制度や、適切な生活習慣が継続して行える環境づくりなど、事業者の積極的な健康づくりを推進する取組みが必要です。
そこで、THP指針では、事業場内の健康保持増進措置を適切かつ有効に行うための基本となる実施方法と留意すべきポイントを示しています。