製造業においては一般的に下記のような労働災害防止対策が示されています
(1)機械による労働災害防止対策
- 法令の遵守とリスクアセスメントによる安全対策
機械設備が有する危険性や有害性はいくつかに分類することができ、それに従ってリスクアセスメントを行うことにより、効果的な安全対策を行うことができます。 - 食品加工用機械の危険箇所への覆いの設置等の義務づけ
食品加工用機械による労働災害は年間約2千件発生しており、身体に障害が残る切断・挫滅も多く発生しています。
平成25年に労働安全衛生規則が改正され、食品加工用機械の危険な部分に覆いを設置することや送給時・取り出し時に用具を使用すること、機械の目詰まり等の調整時には、原則として機械を停止すること等の措置を行うことが義務づけられました。
(2)リスクアセスメントと労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進
- リスクアセスメントの確実な実施
- 労働安全衛生マネジメントシステム導入による安全衛生レベルの向上
労働安全衛生マネジメントシステムを導入、運用することによって、効果的・効率的な安全衛生活動を継続的に行っていく体制をつくり、事業場の安全衛生レベルを向上していくことが望まれます。
(3)中小規模事業場における安全衛生活動の促進
- 安全衛生推進者制度
労働安全衛生法では常時10人以上50人未満の労働者を使用する一定の事業場においては、所定の講習を修了した者等の中から安全衛生推進者を選任し、安全衛生に関する業務を担当させなければならないとされています。 - 中小規模事業場における安全衛生活動
中小規模事業場が集団としてまとまって自主的な安全衛生活動を実施するということであれば、スケールメリット、相互啓発、相互研鑽という点からも効果的と考えられます。
令和6年度全国安全週間実施要綱においても、下記のような「製造業における労働災害防止対策」が示されています。
- 機械の危険部分への覆いの設置等による挟まれ・巻き込まれ等防止対策の実施
- 機能安全を活用した機械設備安全対策の推進
- 作業停止権限等の十分な権限を安全担当者に付与する等の安全管理の実施
- 高経年施設・設備の計画的な更新、優先順位をつけた点検・補修等の実施
- 製造業安全対策官民協議会で開発された、多くの事業場で適用できる「リスクアセスメントの共通化手法」の活用等による、自主的なリスクアセスメントの実施