(1)第三次産業の業種別の労働災害発生状況の特徴
小売業などの商業が最も多く、次いで、社会福祉施設、医療保健業などの保健衛生業が多く、3番目に飲食店などの接客・娯楽業、4番目に清掃・と畜業の順番となっています。
以上の業種で第三次産業全体の労働災害の約8割を占めています。
(2)第三次産業の事故の型別の特徴
「転倒」が最も多く、全体の約3.5割を占め、次いで、「動作の反動・無理な動作」、「墜落・転落」、「交通事故」と続き、これら4種類の事故の型で第三次産業全体のほぼ7割を占めています。
全産業においても、第三次産業の「転倒」「交通事故」「動作の反動・無理な動作」はいずれも全産業の6割以上を占めています。
これら3つの事故の型が三次産業における労働災害の特徴といえます。
「動作の反動・無理な動作」とは、重い物を持ち上げて腰をぎっくりさせたというように身体の動き、不自然な姿勢、動作の反動などが起因して、筋をちがえる、くじく、ぎっくり腰およびこれに類似した状態をいいます。
(3)第三次産業における業種別の事故の型の特徴
小売業では「転倒」が最も多く、社会福祉施設では「動作の反動・無理な動作」が、また飲食業では「転倒」が最も多くなっています。
「転倒」は各業種に共通して多くを占めています。
令和6年度全国安全週間実施要綱においても、下記のような「小売業、社会福祉施設、飲食店等における労働災害防止対策」が示されています。
- 全社的な労働災害の発生状況の把握、分析
- 経営トップが先頭に立って行う安全衛生方針の作成、周知
- 職場巡視、4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)、KY(危険予知)活動、ヒヤリ・ハット事例の共有等の日常的な安全活動の充実・活性化
- 安全衛生担当者の配置、安全意識の啓発
- パート・アルバイトの労働者への安全衛生教育の徹底