交通労働災害の多くが事業場外での発⽣であり、⼀般の労働災害と⽐較して、積極的な対策が講じ難い面があります。
このような状況も踏まえ、平成6年に「交通労働災害防⽌のためのガイドライン」が公表されました.
その後、睡眠時間の確保に配慮した適正な労働時間の管理、乗務開始前の点呼等の実施をはじめとした、交通労働災害防止をすすめるため、平成30年6月に改正されました。
このガイドラインは、労働安全衛⽣関係法令、「⾃動⾞運転者の労働時間等の改善のための基準」とともに、交通労働災害防⽌の基本となるものです。
また、高年齢労働者の交通労働災害の防止に関しては、厚生労働省が「高年齢者に配慮した交通労働災害防止の手引き」およびリーフレット「高年齢者に配慮した交通労働災害防止のすすめ方」を策定しています。
ガイドラインの目的
「交通労働災害防止のためのガイドライン」は、管理体制の確⽴、適正な労働時間等の管理・⾛⾏管理、教育の実施等、健康管理、交通労働災害防⽌に対する意識の⾼揚及び荷主・元請による配慮などの推進により、交通労働災害の防⽌を目的としています。
対象となる交通労働災害は、道路上と事業場構内での⾃動⾞と原付⾃転⾞(以下「自動車等」)による労働災害です。
労働者に自動車等の運転を行わせる事業者の責務は、本ガイドラインを指針として、事業場での交通労働災害を防止することです。
また、運転者の責務としては、自動車等を運転する労働者は、交通労働災害を防止するため、事業者の指示など、必要な事項を守り、事業者に協力して交通労働災害の防止に努めることです。
ガイドラインの推進事項
①交通労働災害防止のための管理体制等
- 交通労働災害防⽌のための管理体制の確⽴
- ⽅針の表明、目標の設定、計画の作成・実施・評価・改善
- 安全委員会における調査審議
②適正な労働時間等の管理、走行管理等
- 適正な労働時間等の管理、⾛⾏管理の実施
- 適正な⾛⾏計画の作成等
- 点呼等の実施とその結果に基づく措置
- 荷役作業を⾏わせる場合の措置等
③教育の実施等
- 雇い⼊れ時等・⽇常の教育、交通危険予知訓練の実施
- 運転者認定制度などの導⼊
④交通労働災害防止に対する意識の高揚等
- 交通労働災害防⽌に対する意識の⾼揚
- 交通安全情報マップの作成
⑤荷主・元請事業者による配慮等
⑥健康管理
- 健康診断
- ⾯接指導等
- ⼼⾝両⾯にわたる健康の保持増進
- 運転時の疲労回復
⑦その他
- 異常気象等の際の措置
- ⾃動⾞の点検
- ⾃動⾞に装備する安全装置等