農作業事故の実態

農作業による死亡事故は年間約350~400人で推移しています。
この数字は、農作業に従事する人が減っている状況でも変わっていません。
そして、高齢者の比重が大きくなっています。

農業就業人口は、統計によりますと
平成2年500万人くらいいましたが、平成22年には250万人と約半分になっています。
そして、その内65歳以上の人が60%位を占めています。
また、農作業による死亡者の平均年齢が70歳となってます
(その内、80歳以上が30%程度を占めています)

農作業による死傷者数においてはその数十倍以上になると考えられます。
一般の労働災害事故における死亡者数と死傷者数(休業4日以上)の比率で考えますと、44,000人と想定できます。
(これは全産業における労災事故の4割弱となります)

岩手大学の保健管理センター所長立身政信氏のデータによりますと

  • 死亡事故の内訳は
    農業機械作業が約70%、農業用施設作業が約3.5% それ以外が約26.5% となっています
  • 農業機械による死亡事故で、災害が多い機械順に
    ①乗用型トラクター ②歩行用トラクター ③農用運搬車 ④自脱型コンバイン ⑤動力防除機 ⑥動力刈払機
    となっています。
    事故の型では、挟まれ、巻き込まれ、転落、転倒等が多いようです。
  • 農業用施設作業では、梯子等からの転落等があります。
  • それ以外では、転落、引火、熱中症、中毒 等があります。
  • また、事故件数では
    *農業機械作業では、刈払機等の草刈り機が最多の災害が発生しています。
    *主要手工具等では「鎌」「脚立」「梯子」で多く発生しています